下関に住んでいましたとき、同じところに勤めておられたおともだちから、教えていただいた土筆の生えているところやその美味しさを今も覚えています。小さい時は奈良県で土筆取りをしました。父が土筆の味が好きだったので、春が来るのを待ちわびて、つくし採りにでかけていました。留学と結婚後は下関の大学で英語を教えていましたが、土筆がどの辺に生えているのかしりませんでしたら、勤め先の友人が土筆の生えているところや、上手に煮たつくしをくださいました。そのときから、土筆の春が毎年やってきていましたが、昨年退職して東京に来てからはつくしがどの辺にはえているのかもわかりませんので諦めていました。そんなとき、同じ友人からつくしを送って来て下さいました。うれし涙を流しながら袋にぎっしり詰め込まれた美味しい土筆煮を一本ずつ味わいながらいただきました。とりたてのなまの土筆の量を想像しながら、この量を一本ずつ野山から摘み取るのに、猛烈な時間がかかっていたうえに、一本ずつハカマをとらなければならない手間を思う時、友情の暖かさを身にしみて感じました。いよいよ私にも春がきたように感じます。
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